毎日幸せを感じるために

幸せをもっともっと感じるために、毎日の気づきを書いていきたいと思います。

ハバードのチェンバロ

こんにちは、あんです。
週末、我が天空の小さなワンルームアパートメントに、チェンバロがやって来ました。



製作は1982年。前オーナーが20年間所有していました。ハバードのキットで製作されたものですが、製作者は不明。ヨハンソンと名前が記載されており、そこから前オーナーが色々と探ったそうですが、結局製作者の特定はできなかったそうです。


前オーナーが近々ニューヨークへ引っ越すにあたって、彼女のチェンバロの新しいオーナーを探しているとの情報が私のところに飛び込んで来たのが、5月始め。コンディションと価格が私の条件とぴったりだったので、すぐに連絡。先週やっと会えたと思ったら、週末には我が家へお迎えする運びになりました。


サンフランシスコにしては珍しく猛暑の土曜日。巨人のような2人の運び屋さんに、一緒にトラックに乗せてもらってお迎えにあがる。50kgほどの軽さですが、とても繊細な楽器。慎重に丁寧にトラックへ載せ、ベイブリッジの週末の渋滞を耐え、我が家へ。



去年、数ヶ月借りていたチェンバロを急に返却しないといけなくなったとき、私の中にとても強い予言みたいなものを感じました。


  • 私は、最適な時期に、私にぴったりの楽器を手に入れることができる。
  • それは、どなたかが長く、大事に所有していた楽器で、十分に年期を経て、安定した楽器である。


去年借りていた楽器は、とても綺麗に装飾されていた良い楽器だったのですが、製作されて一年ほどの新しい楽器でした。製作者もまだ若く、この楽器は彼の第3作目ほどだったと思います。


この楽器を返却後、急ごしらえで手に入れたのは、ズッカーマンのキットで製作されたもの。大変シンプルな作りで、ちょっとチェンバロとは呼べないかも、という鍵盤のタッチでしたが、これが我が家にきてくれなければ、私は練習を続けることができませんでしたので、本当にこれも何かの縁、ということだと思います。(この楽器は、昨年末時点で、私では調節不可能なほど狂ってしまったので、今は貸し倉庫で休んでいます。いずれは出してあげて、調節をして、次の世代へ送るつもりです。)


そして、年明けの引越しのバタバタを経て、ようやく落ちついた頃に受け取った朗報でした。しかも、ちょっとここの部屋も片付いたので、ヤマハのデジタルピアノをチェンバロの音にセットして、ちらっと練習でもしてみようかなあと、始めた矢先のことでした。あまりのタイミングの良さにびっくり。



4月11日に、初めてこのアパートでデジタルピアノを出した時のことを記事にしていました。


正直、この小さな空間に、チェンバロを持ち込むのは無理かなと思っていたのです。いずれ一軒家に移り住む予定で、本格的な楽器の購入はそれからだな、と。でも、今のうちから学べることはできる限り学んでおきたい、と、まずは運指の練習の再開から、と始めたところでした。


響板にはめ込まれたローズ。


このチェンバロ、鍵盤の反応が、とても安定していて弾いていて気持ちがいいのです。これまで大事に弾かれていたのがわかります。


前オーナーの家で楽器をトラックへと移動させているとき、前オーナーのAdairが涙ぐんでいらっしゃいました。手放す時がきてしまった、大好きだった楽器。彼女の肩を抱いて背中をさすりながら、「必ず大事にしますから。約束します」と何度も伝えました。


これまで何人かの愛好家に、大切にされてきた楽器。私から次の世代へ引き継ぐその日まで、責任を持って、大事に大切に弾いていこう、としっかりと心に誓います。


昨日のリリィ。



猛暑の続いていた日曜日、どこにいるかと思ったら、やっぱり一番涼しい場所を確保していました。早速、チェンバロの下です。


最後まで読んでいただいてありがとうございました。
今日も、良い1日になりますように。


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